第56回作業療法士国家試験に向けて国試勉強を始める前に、そもそも「作業療法士(OT)国家試験」ってどんなものなのか具体的に知りたい!そんなギモンにお答えします!

 

試験実施日は?

筆記試験日:令和3年(2021年)2月21日(日)

 

作業療法士国家試験は,例年2月中旬の日曜日に実施されています.

第56回作業療法士国家試験は,令和3年(2021年)2月21日(日曜日)に筆記試験が実施される予定です.

※重度視力障害者向けの,口述試験及び実技試験は,翌2月22日(月曜日)に実施される予定です.

 

試験会場は?

第56回の筆記試験は,「北海道、宮城県、東京都、愛知県、大阪府、香川県、福岡県及び沖縄県」で実施される予定です.詳しくは厚労省のHPをご覧ください.

※重度視力障害者向けの,口述試験及び実技試験は,東京都のみで実施される予定です.

 

合格者の発表日は?

令和3年(2021年)3月23日(火曜日)の午後2時に,厚労省のHPで発表される予定です.

 

新型コロナウイルス感染症への対応

①厚労省によると,試験当日に

  • 体温が37.5℃以上の人
  • 咳などの症状が認められる人

には,迅速抗原検査を実施するそうです.陽性の場合はさらにオンライン診療が行われますが,そこで新型コロナウイルス感染症と診断されると,受験できなくなってしまいます他日の追加受験はありません).

不要不急の外出は避け,体調管理には十分気をつけるようにしましょう.

 

②次に,濃厚接触者と認められた人についてはどうなるのでしょうか.

濃厚接触者と認められる場合でも,特定の条件を満たせば別室受験が認められます.

  • 初期スクリーニング(自治体等によるPCR等検査)の結果、陰性であること
  • 受験当日も無症状であること
  • 公共の交通機関を利用せず、かつ、人が密集する場所を避けて試験場に行くこと
  • 終日、別室での受験となること

 

その他にも,厚生労働省から新型コロナウイルスに関する対策について発表されています.あらかじめ一読しておきましょう.

(参考:厚生労働省「令和2年度厚生労働省所管医療関係職種国家試験における新型コロナウイルス感染症対策について」)

 

当日の流れは?

PT・OT共通問題が100問と,OT専門問題が100問,計200問が出題されます.

当日は,以下のように午前・午後にわたって実施されます.

OT専門問題 PT・OT共通問題
午前 9:50~12:30(160分) 50問 50問
午後 14:20~17:00(160分) 50問 50問

※OT専門問題の冒頭20問ずつ(計40問)が,実地問題(配点3点)と考えられる.

 

出題基準は?

厚生労働省が発表する「理学療法士作業療法士国家試験出題基準」に基づいて出題されます。

 

PT・OT共通問題

Ⅰ.人体の構造と機能及び心身の発達
  • 解剖学
  • 生理学
  • 運動学
  • 人間発達学
Ⅱ.疾病と障害の成り立ち及び回復過程の促進
  • 医学概論
  • 臨床医学総論
  • リハビリテーション医学
  • 臨床心理学
  • 精神障害と臨床医学
  • 骨関節障害と臨床医学
  • 慢性疼痛と臨床医学
  • 中枢神経の障害と臨床医学
  • 末梢神経・筋系の障害と臨床医学
  • 小児の障害と臨床医学
  • 内部障害と臨床医学
  • がん関連障害と臨床医学
  • 老年期障害と臨床医学
Ⅲ.保健医療福祉とリハビリテーションの理念
  • 保健医療福祉
  • リハビリテーション概論

 

OT専門問題

Ⅰ.基礎作業療法学
  • 作業療法の基本
  • 作業療法の範囲
  • 作業療法学の基礎
Ⅱ.作業療法評価学
  • 目的
  • 時期と手順
  • 心身機能,身体構造
  • 活動,参加
  • 背景因子等
  • 福祉用具,義肢,装具等
  • 疾患,障害
  • 保健,予防
Ⅲ.作業療法治療学
  • 基礎
  • 心身機能,身体構造
  • 活動,参加
  • 背景因子等
  • 義肢,装具
  • 疾患,障害
  • 保健,予防
Ⅳ.地域作業療法学
  • 基礎
  • 評価と支援
Ⅴ.臨床実習
  • 実習前準備
  • 実習実施内容

 

出題形式は?

多くが5肢択一ですが,一部,5肢択二(X(2)問題)も含まれます.

また問題の題材として,画像や表,症例が用いられることもあります.

 

問題の種類は?

①一般問題

一般問題1問1点で,160問(=計160点)出題されます.

 

②実地問題

実地問題1問3点で,40問(=計120点)出題されます.

200問のうちどれが実地問題かは公表されていませんが,具体的にはOT専門問題のうち,午前・午後それぞれ冒頭20問ずつが実地問題だと考えられます.

なお,実地問題のみの合格点も設定されていますので,対策を怠らないようにしましょう.
(第55回は,実地問題120点中,43点以上が合格点(OT).)

たとえ総合点が合格ラインだとしても,実地問題の点数が足りずに落ちてしまう,なんてこともありえます.

 

作業療法士国家試験の合格状況とボーダーラインの推移

第55回作業療法士国家試験の合格率・ボーダーラインは?

受験者数 6,352人(昨年比-6人)
合格者数 5,548人(昨年比+1,017人)
合格率 87.3%(現役生:94.2%
合格基準点
(一般+実地)
277点中167点以上※1
合格基準点
(実地問題のみ)
120点中43点以上

※1…一部の問題は採点除外となっています.(厚労省発表

 

過去の合格率は?

下記グラフのように、この数年は70~80%付近で推移しています。
なおこちらは全受験者の合格率で、新卒受験生のみでは毎年90%前後と上昇します。

 

いかがでしたか?作業療法士(OT)の国家試験についてイメージできたでしょうか.

国試の概要がつかめたら,早速,過去問の演習に取り組んでいきましょう.

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