科目別分析シリーズ④
PT・OT国試。共通問題で真っ先に押さえておきたいテーマ
理学療法士・作業療法士の国試では、過去問の傾向を知ることで、より有利な国試対策ができます。
これまでの記事で、過去10年分の国試過去問を分析し、共通問題でよく出る科目として
をまず解説してきました。(詳しくはリンク先の記事をご覧ください。)
(共通問題100題中、約20題前後を占めうる科目が出題度「高」、約10題前後を占めうる科目が出題度「中」)
では、その他「C 運動学」~「J リハ概論」の中で出やすいテーマは存在するのでしょうか?
共通問題全体を見たときに、よく出るテーマがある!
共通問題全体で、頻出テーマを科目横断的に集計したのが下記のグラフです。
(※タップで拡大。スマホでご覧の方は、画面を横にしてご覧ください)
グラフで見ると、
- 「A 解剖」「B 生理・病理」の全体
- 「F 神経」の【脳卒中】【認知症】
- 「E 内科学」の【心疾患】
- 「C 運動学」の【下肢の運動】
…などが共通問題全体の頻出テーマであることが一目瞭然ですね。
それでは、各テーマの具体的な出題例と、基本的な対策方針を押さえていきましょう。
【脳卒中】をテーマとした問題
【脳卒中】は共通問題全体で最頻出のテーマです。
解答の際は、病変部位による症状の違いを見極める力が必須となります。画像から部位の特定をしなければならないので、必要に応じて「A 解剖学」での脳の解剖に戻りながら学習していきましょう。
▲実際に出題された、最新の問題例。
(第56回国試 午後問題90番、『クエスチョン・バンク2025』(共通問題編)P.594より引用)
ちなみにこの問題、『QB』では以下のような画像診断を掲載していますので、画像を読み取る際のポイントを学習することができます。
(同『QB』(共通問題編)P.594より引用)
【認知症】をテーマとした問題
【認知症】をテーマとした問題も、共通問題全体で見て非常によく出題されています。
認知症の型による症状の違いが問われますので、しっかり押さえておきましょう。
▲実際に出題された、最新の問題例。
(第57回国試 午前問題97番、『クエスチョン・バンク2025』(共通問題編)P.617より引用)
なおAlzheimer型認知症の特徴については、『QB』でゴロ合わせを紹介しています。
(同『QB』(共通問題編)P.617より引用)
【心疾患】をテーマとした問題
【心疾患】をテーマとした問題も頻出です。まずは狭心症・心筋梗塞について、病態・症状を機序から理解していきましょう。
▲実際に出題された、最新の問題例。
(第59回国試 午前問題94番、『クエスチョン・バンク2025』(共通問題編)P.457より引用)
【下肢の運動】をテーマとした問題
【下肢の運動】をテーマとした問題では、下肢の運動に伴う
- 筋の作用
- 靭帯、半月板の動き
を理解する必要があります。また足部は関与する骨や筋が多いので、混同しないよう気をつけながら学習を進めましょう。
▲実際に出題された、最新の問題例。
(第58回国試 午前問題71番、『クエスチョン・バンク2025』(共通問題編)P.321より引用)
よく出るジャンルを知って、効率的に国試対策をしていこう!
これまでの記事でもお伝えしてきた通り、理学療法士・作業療法士の国家試験に合格するためのポイントは、
「みんなが解ける問題を、自分も確実に正解する」
ことです。
その意味では、どのジャンルも偏りなく勉強することが必要です。
しかし共通問題対策の序盤では、まず「A 解剖学」「B 生理学・病理学」を最優先として、さらに
- 「F 神経」の【脳卒中・認知症】
- 「E 内科学」の【心疾患】
- 「C 運動学」の【下肢の運動】
などよく出るテーマから優先的に対策していくと、効率的な国試対策につながります。
さらに詳しい「出題テーマランキング」は、QB本誌でチェック!
最新版の『QB2025』シリーズでは、さらに、科目ごとによく出るテーマも掲載しています!
最新版の『QB2025』シリーズは、共通編に続き、9月にPT専門問題編、10月にOT専門問題編も発行されました。
ぜひ皆さんの国試対策にお役立てくださいね。
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