PTOT国試、「1問3点」の実地問題は落とせない!

国試分析記事シリーズです。

前回の記事では、「合否を分けた問題」のご紹介や、中でも「実地問題(1問3点!)」の重要性をお話ししました。

 

「合否を分けた問題」のうち、実地問題青下線を付したものが以下になります。

PTで合否を分けた問題

共通問題で「合否を分けた問題」は?
→午前52、59、65、67、69、80、83、84、86番 / 午後57、60、71、82、90番

PT専門問題で「合否を分けた問題」は?
→午前47891418、23、25、31、32、40番 / 午後34813、35、39番

(実地問題のみで,3点×10 = 30点分!)

 

OTで合否を分けた問題

共通問題で「合否を分けた問題」は?
午前53、59、65、67、69、80番 / 午後57、59、60、73、94番

OT専門問題で「合否を分けた問題」は?
午前48、50番 / 午後311、22、39、43、45番

(実地問題のみで,3点×2 = 6点分!)

合格までに必要な点数を考えた時、これら実地問題の配点(1問3点!)は、
非常に大きなインパクトを持っていることがわかります。

 

それでは実際に、どんな実地問題が「合否を分けた問題」だったのでしょうか?

以下で実例を見ていきたいと思います。

 

「合否を分けた」実地問題 例①:午後20番(PT専門問題)

(第60回国試 午後問題20番、『クエスチョン・バンク2026』(PT専門問題編)P.229より引用)

上記の問題は、心電図の読み取り問題です。
P,Q,R,S,T波の特徴をしっかり覚え、「BではSTの低下を認める」を選べれば正解でした。
(受験生の1割は「Aでは陰性T波を認める.」と誤答)

(第60回国試 午後問題20番、『クエスチョン・バンク2026』(PT専門問題編)P.229より引用)

ここで合否別の正答率を比べてみると、

 合格者の正答率:70.3%
不合格者の正答率:51.3%

不合格者の正答率が明らかに低いことがわかります。

第60回国試で惜しくも不合格となってしまったPT受験生にとって、この「午後20番」はぜひとも正答すべき問題だったと言えます。

 

一般的に、CTやMRIの読影問題は、合格者と不合格者で差がつきやすい傾向にあります。

実際、過去3年分のPT・OTを分析したところ、

実地問題全体では、「合否を分けた問題」が30%存在したのに対し、
CTなど読影問題に絞ると、「合否を分けた問題」が約40%もありました。
(=読影問題の半分近くが「合否を分けた問題」。)

受験生にとっては、つい対策を後回しにしてしまうのかもしれませんが、
こうした画像問題が合否を左右するテーマだと認識し、しっかり対策することが重要と考えられます。

 

なお『クエスチョン・バンク2026 理学療法士専門問題』では、以下のように「画像診断」のコーナーを設けています。

(第60回国試 午後問題20番、『クエスチョン・バンク2026』(PT専門問題編)P.230より引用)

実際に画像のどこに注目すべきか、「画像診断」をもとに学習しやすくなっています。

「合否を分けた」実地問題 例②:午前2番(OT専門問題)

(第60回国試 午前問題2番、『クエスチョン・バンク2026』(OT専門問題編)P.626より引用)

頸椎MRIの画像から、当てはまる記述を選ぶ問題です。

この問題も合否別の合格率を比べてみると、

 合格者の正答率:66.9%
不合格者の正答率:23.4%

本問も不合格者の正答率が明らかに低いことがわかります。
第60回国試で惜しくも不合格となってしまった受験生にとって、この「午前2番」はぜひとも正答すべき問題だったと言えます。

なお本問も『クエスチョン・バンク2026』(OT専門問題編)では「画像診断」を掲載しています。

OT専門問題においても、画像問題をしっかり対策することが重要となります。

合否にかかわる画像問題。その対策法とは?

もちろん画像問題以外にも、合格者と不合格者の「合否を分ける」問題はありますので、
単純に「画像問題さえ固めれば合格できる!」というわけではありません。

しかし、国試において「画像問題は重要である」という点については、ご納得いただける先生方が多いのではないでしょうか。

画像問題の対策法としては、ことさら特殊なことではありませんが、以下がポイントになってくると考えられます。

画像問題の対策法ポイントは?

  • 国試で問われる画像について、部位・機能をしっかりインプットしておく!
    (=解剖の基礎をきちんと固めておく)
  • 過去問演習では、画像診断をしっかり読んでおく!

まず、国試で問われる画像のパターンは、そこまで多いわけではありません(骨折など)。

また病変部は比較的わかりやすいので、その病変部が「どの部位か?」「どんな機能を持っているか?」という知識をきちんと身に着けていれば対応できる問題がほとんどです。

結論として、読影問題の対策法としては前述のように、

  • 国試で問われる画像について、部位・機能をしっかりインプットしておく
    (=解剖の基礎をきちんと固めておく)
  • 過去問演習では、画像診断をしっかり読んでおく

ことがポイントになってくるといえます。

本記事が日頃のご指導の一助になれば幸いです。
また、もし未読の場合は前編の記事も併せてご活用くださいませ。

【第60回国試分析①】合格者と不合格者を徹底分析! 「合否を分けた問題」とは?